つま先が痛いのは、つま先の形に原因があると思いがちです。でも、理由の多くは、ヒールを履いたときに足が前に滑って、つま先だけで体重を支えようと無理をさせているからです。
かかとの骨を触ってみてください。裸足で床を踏んでいるときは、土踏まずに向かって前上がり↗︎の方向に傾いているでしょう。そこから、つま先立ちしていくと、平行→になり、一般的に5cmを超えると、前下がり↘︎に。かかとの骨が前下がり↘︎になるほど、足が前に滑りやすく、つま先への負担が増えます。
このとき、足を前に滑らせない工夫が木型づくりの腕の見せどころ。パンプスを試着したら、きちんとかかとで地面を踏めている感覚があるか、足が前の方に滑っていかないか、木型との相性をチェックしてみましょう。
つま先が痛いから、ワンサイズ大きいパンプスを履いていませんか。かかとが脱げやすく、足が前滑りして逆につま先に負担がかかります。指先が快適で、かかとをしっかりとホールドしてくれるパンプスを選びましょう。
小指の痛みは、「外反母趾に気をつけなさい」というサインです。小指は弱いので、すぐ悲鳴をあげますが、親指は丈夫で我慢強いので長い時間をかけて外反母趾へと進行します。つま先で踏ん張る癖がつくと、足の付け根にある関節の骨が広がり、元に戻らなくなります。どの靴も小指が痛いと感じたら、パンプス選びを見直すタイミングです。
創業者「菊地武男」が、日本女性の足の骨格を学び、オリジナルの木型造りを始めたときに発見したのは、欧米女性と日本女性では、かかとカーブが大きく異なることでした。
海外のパンプスを履くと、かかとが食い込んで痛いという方がいます。
それは、欧米女性は、かかとの骨が後ろに出ている人が多く、足に合わせてパンプスのかかとのカーブが深くなっているからです。それに較べ、日本女性は、かかとがストンとまっすぐな場合が多く、そういう足の方が海外の木型で造られたパンプスを履くと、かかとの縁がアキレス腱に食い込んで痛むのです。
パンプスのかかとが脱げやすい方は、普通の方よりもかかとの骨が細く小さいからかもしれません。海外の木型も日本の木型も、かかとの開きが広すぎるという方はオーダーで木型をお造りすることもできます。
かかとの細さは、歩きながら常に変化しています。地面を踏んで力がかかると太くなり、上にあげた方の足のかかとは細くなります。かかとのフィッティングは、地面を踏んだとき、足を上げたときの両方で確かめておきましょう。
足の形やサイズは、ずっと変わらないものだと思っていませんか。じつは、洋服と同じように体重が減ったり増えたりすると、パンプスの履きやすさも少しずつですが変わったりします。年齢に合わせて、履きやすい形やサイズを選びましょう。
個人差がありますが、高齢になると、足の裏のアーチが平らになり、扁平足になる場合があります。それにより、差が大きい人では1㎝程度も足の長さが伸びます。
若い頃は、扁平足ではなかったのに扁平足になってきたと感じたら、靴のサイズを確かめてみてください。